予防歯科

むし歯や歯周病は、口腔内の細菌によって発症する感染症です。
人の口の中には数百種類の細菌がいると言われています。
病原性のない善玉菌もいれば歯周病の原因になる毒性の強い悪玉菌もいます。
これらの細菌をコントロールすることにより発症させない事が重要です。

予防歯科

お口の中の汚れは、古くなると悪玉菌が増え毒性が強くなります。
したがって歯科医院で定期的に汚れを取り、きれいな状態にリセットすることが重要です。
悪玉菌の増えるサイクルは、3ヵ月と言われていますので定期的な受診をおすすめします。

また、お子様の虫歯予防には、定期的に「フッ化物」を塗布することも必要です。

歯周病

歯科チェック

歯周病菌検査でお口の状態をチェックしましょう

歯周病治療やメインテナンス(予防処置)の際に位相差顕微鏡による簡易細菌検査を行っています。

歯垢を観察することで口腔内細菌の状態を把握します。

細菌の種類:毒性の強い歯周病菌がいると予想される場合は、除菌処置を行う場合もあります。

細菌の数量:細菌が多い場合は、汚れが古いことの目安になります。また古い歯垢は毒性が強くなります。

歯周病菌について詳しく調べたい方

PCR法による歯周病菌遺伝子検査を行っています。口腔内全体を検査する場合は唾液を採取、特定の歯周ポケット内を検査する場合は歯肉溝浸出液を採取します。

定期的に歯科衛生士の口腔ケアを受けましょう

歯周病は、知らない間に進行することが多く、症状が出た時には重度の歯周病になっている場合もあります。

毎日、きちんと歯みがきをしていても磨き残しなどの落としきれない汚れが増えていきます。定期的な検査と歯科衛生士による予防処置を受ける事をお勧めします。

歯科衛生士による専門なお口のクリーニング(PMTC)

PMTCとは、Professional Mechanical Tooth Cleaningの略称で、専門的機械歯面清掃を意味します。

予防歯科の先進国スウェーデンの歯科医師アクセルソン博士が提唱した予防歯科医療の術式です。歯ブラシでは落としきれない部位の汚れや磨き残しを専用の器具及びフッ化物含有ペーストを用いて機械的に除去します。PMTCを定期的に受けて頂くことにより歯周病を予防することが可能です。

口腔細菌の全身への影響(病巣感染)

近年、DNA解析技術の進歩により口腔内の細菌と全身の疾患の関連が、明らかになってきました。お口の中をきれいに保つ事は、全身の健康にとっても重要で、多くの病気を予防できる事が解明されています。

口の中の細菌は、血流を介して体内に侵入するので、全身の血管を老化させます。歯周病菌の毒素は、血管を傷つけそこから動脈硬化も始まるといわれています。したがって血管の老化や循環器の病気と密接に関係しています。

お口の中をきれいにする事は、血管を若返らせる効果もあり、口の中の悪玉菌を減らし、善玉菌を増やすと血管年齢が若くなります。

全身の健康のためにも口腔の定期予防処置を受けて頂くことをお勧めします。

口腔は病気の入り口であり、近年その重要性が注目されています。多くの研究により歯周病と全身疾患の関わりが解明されてきました。さらに歯周病治療によって糖尿病などの疾患が改善されるという事実から歯周医学(Periodontal Medicine)という概念も確立しました。「歯周病の予防は全身の健康に貢献する」事を証明する多くの研究があります。

むし歯予防や歯周病予防の重要性を再確認し、口腔疾患だけでなく全身の疾患の予防に取り組ん頂きたいと思います。

歯周内科について (国際歯周内科学研究会HPより引用)

歯周内科治療は位相差顕微鏡検査・リアルタイムPCR検査で、お口の中に感染している細菌・真菌・原虫などを特定し、動画管理システムに記録しそれらの微生物に感受性の ある薬剤を選択し、微生物叢を非常に綺麗な状態に改善することで歯周病を内科的に治す治療方法です。

治療前の非常に汚れた微生物叢が治療後 は非常に短期間で綺麗に改善し、術前・術後の状態が一目瞭然に画像で示されるという利点があることが知られています。

また、はっきりと自覚 できる程、歯茎からの出血や排膿が短期間で改善されます。以前は、長時間歯磨きや外科治療によって1~2年の治療期間でそのような綺麗な微 生物叢を獲得していたのです。

微生物叢が改善されたら、歯石を除去します。その場合も、微生物叢が改善されていると、冷たいものがしみるというような症状が非常に少なく なることが知られています。

お口の栄養チェックをしてみませんか?

歯周病について

歯周病、知覚過敏、口内炎、口臭、あごの痛みなどは、ビタミン・ミネラルの不足が原因かもしれません。不足している栄養素のチェック、食事指導も行っています。お気軽にご相談ください。

歯周病は、歯周病菌などの細菌により発症する感染症です。

しかし多くの要因が病状に関係する多因子性の疾患でもあります。特にビタミンやミネラルなど栄養素の不足は、お口の健康に非常に大きく影響します。近年は精製食品、加工食品を摂取することが多く、ビタミン・ミネラルなど微量栄養素が不足する傾向にあります。

栄養素が不足することにより、歯肉コラーゲンの減少、血管の脆弱化、血流の減少、免疫の低下、噛みしめ等の原因になる場合があります。歯みがきだけでなく栄養について見直すことをお勧めします。